受講料をいただくのに、Paypal決済を利用しているんだけど、どうやって処理したらいいですか?
個人事業主であっても気軽にクレジット決済が導入できるPaypal。
利用している起業女性も多いと思います。
が、、、帳簿上の処理方法は、ちょっと複雑なんです。
青色申告(複式簿記)でPaypal決済を導入している場合、どんな仕訳をすればいいのか、ポイントを解説します。
Paypalってどんなシステム?
事業者がクレジットカード決済を導入する場合、①クレジットカード会社と直接契約するか、②決済代行会社を経由して契約することになります。
Paypalの場合は、②に該当します。
Paypalでビジネスアカウントを開設すると、複数のクレジットカード決済を導入できます。
https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/personal/how-paypal-works
Paypalの勘定科目はどうする?
個人事業主の起業女性さんとお話していると、こんなご質問を受けます。
「売上代金の決済にPaypalを利用しているのですが、勘定科目は『預金』でいいでしょうか?」
個人的な見解としては、Paypal残高は『預金』ではないと思っています。
理由は、Paypalのサポートページにも記載されていますが、Paypalは「資金移動業者」であって「銀行」ではないこと等からです。
「じゃあ、どんな勘定科目を使えばいいの?」
取引の流れやPaypalの性質を考えると、流動資産項目の『預け金』がオススメです^^
なお、『預け金』という勘定科目は、やよい青色申告オンラインやMFクラウド確定申告、freeeでは、初期設定の勘定科目として設定がない場合があります。その場合でも、ご自身で勘定科目を設定すればOKです!
例示
今回は、起業女性でよくある下記のような取引を前提に、仕訳例を書いていきます。
①10月15日 セミナー(受講料1万円)の申込
②10月18日 お客様がPaypalで受講料を決済
③10月25日 セミナーを開催
④11月10日 Paypal残高を事業用預金に移動
※上記と流れが違う場合は、仕訳が違ってきますのでご注意くださいね。
仕訳
①10月15日 セミナー(受講料1万円)の申込
仕訳はなし
②10月18日 お客様がPaypalで受講料を決済
※決済手数料3%と仮定します
日付 | 借方 | 貸方 | ||
10月18日 | 預け金 | 9,700 | 前受金 | 10,000 |
支払手数料 | 300 |
③10月25日 セミナーを開催
日付 | 借方 | 貸方 | ||
10月25日 | 前受金 | 10,000 | 売上 | 10,000 |
④11月10日 Paypal残高を事業用預金に移動
※5万円以下のため、手数料250円と仮定します
日付 | 借方 | 貸方 | ||
11月10日 | 普通預金 | 9,450 | 預け金 | 9,700 |
支払手数料 | 250 |
もし勘定科目を「預金」にした場合
厳密には「普通預金」などではないため、【決算整理仕訳で振替】という処理も可能です。
具体的には
①普段の取引:
『預金(補助科目Paypal)』などを設定し、処理
②決算整理:
12/31時点で、『預金(補助科目Paypal)』の残高を、『預け金』などの勘定科目に振り替える
上記のような処理であっても、最終的な貸借対照表は正しいものになります。
Paypalの注意点
注意点としては、預金などと同じく、Paypalのシステム上の残高と、帳簿のPaypal残高は一致させること。
これは、貸借対照表科目すべてに言えることですが、Paypalも資産・負債項目ですので、例外なく、元となるデータと金額は一致させてくださいね。
まとめ
Paypalはとても便利なシステムですが、取引に関係する人が増えるため、帳簿の仕訳も複雑になります。
導入される場合は、一度、帳簿のつくり方を学んでおくと安心です。
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