青色申告(複式簿記)です。
ハンドメイドで作品を売っているんですが、どうやって帳簿を作成したらいいですか?
ハンドメイド商品を販売しているなど、モノを扱っている場合、帳簿が少し特徴的です。
ハンドメイドだけではなく、事業者として商品を仕入れてメルカリで販売しているような、いわゆる「せどり」の場合も取り扱いは同じです。
ぜひポイントを抑えてくださいね。
モノの管理がポイント
モノを作って販売している場合やモノを仕入れて販売している場合、最大のポイントはモノの管理です。
モノを扱わない事業者であれば、取引とお金の2つを把握すれば帳簿は作成できますが、モノを扱っている事業者の場合は、取引とお金の流れに加えて、モノの動きを把握しなければ帳簿の作成はできません。
ここでモノとは、お客様に販売する商品の「材料」や、作成した「商品」、外部から仕入れた「商品」のことです。
材料や商品を外部から購入した時
材料や商品を外部から購入してきた時、仕入として処理をします。
事例をもとに説明しますね。
例:ハンドメイドでバックを作成し販売している場合
1月10日 材料となる布を事業用のクレジットカードで購入(購入価格1,000円)
2月27日 事業用のクレジットカードが決済された
こんな事例の場合、仕訳は以下のようになります。
1月10日 (借方)仕入 1,000 (貸方)未払金 1,000
2月27日 (借方)未払金 1,000(貸方)普通預金 1,000
材料や商品を購入した場合は、「仕入」という勘定科目を使います。
商品を販売した時
制作した商品や仕入れた商品を販売した場合の仕訳を、事例をもとに説明しますね。
例:ハンドメイド作家さんで、商品を販売
1月20日 制作したバックが売れた(販売価格2,000円)
1月25日 販売代金が、事業用銀行口座に入金された
このような場合、仕訳は以下のようになります。
1月20日 (借方)売掛金 2,000(貸方)売上 2,000
1月25日 (借方)普通預金 2,000(貸方)売掛金 2,000
販売の場合は、モノを扱わない事業者さんと変わりはありません。
12月31日に材料や商品が残っている時
一番のポイントはここ!!!
モノを扱っている事業者の場合、12月31日(期末)に材料や商品が残っている場合は、「棚卸資産」に振替が必要です。この処理を「決算整理」と言います。
この処理をしない場合、売上と仕入の計上時期が一致しないため、費用収益対応の原則という会計の基本ルールを満たさないことになります。ちょっと難しいですね。。。細かい考え方が気になる方は公式LINEもしくでご質問ください。
ここでは、期末に材料や商品が残っていた場合の手続きや処理方法をお伝えしますね。
在庫金額の計算方法
在庫金額を計算する手順は以下です。
Step1:12月31日時点で手元に残っている材料や商品の数を数える(在庫個数)
Step2:残っている材料や商品の仕入単価を計算する(単価)
Step3:Step1・2をもとに、12月31日時点で残っている材料や商品の価額を計算する(在庫個数×単価)
Step4:Step3の結果を、決算整理として仕訳を行う
1~3の結果は、「棚卸表」という書類を作成し、7年間保管する義務があります。忘れないようにしてくださいね。
棚卸表については、決まった形式はありません。材料・商品の種類、単価、在庫数量、金額がわかればOKです。
具体的な形を知りたい場合は、公式LINEでご質問くださいね。
在庫金額の仕訳
在庫の金額がわかったら、帳簿に記帳します。例示で解説しますね。
12月31日時点で、材料が5万円分、商品が1万円分残っていた
このような場合、以下の仕訳になります。
12月31日 (借方)材料 50,000(貸方)仕入(★) 60,000
(借方)商品 10,000
この処理をすることで、今年仕入れた材料・商品のうち、12月31日時点で手元に残っていないもの=販売したものだけを、今年の経費にすることができます。
(★)会計ソフトによっては「期末製品残高」(期末材料残高)等の勘定科目を使うこともあります。
在庫金額を処理しないと税金が間違えちゃう!
この処理を行わない場合、経費の金額が多くなり、税金の金額が本来納めるべき金額より少額となりますので忘れないようにしましょう。
(税金が過少の場合、修正申告対象です。自ら修正しない場合は、過少申告加算税の対象となりますので注意してくださいね)
モノの管理は忘れずに
モノを扱っている場合、モノの管理がとっても大事です。
年末年始でついついゆっくりしたくなりますが、在庫の管理は税金計算に直結してしまいますので、忘れずに在庫の数量を把握しましょうね。
わからない場合は、公式LINEでご質問ください。(下記バナーをクリックすると登録できます)